研究課題
本研究は日台間の経済交渉・政治活動に携わった経済人・準政府機関を研究の対象とし、これまでの文献資料を一層活用すると共に、自らの聞き取り調査・実地調査の成果を駆使して戦後における日本・台湾・中国大陸間の政治的なトライアングル関係並びに経済関係を実証的に解明することにしている。平成18年度は現地の再調査と研究成果の公開を中心に行った。1、台湾では、最新の公的統計資料(日台貿易・両岸貿易)の収集、未発表の博士論文の閲覧等を行い、台北国家図書館館内限定のデータベースも数多く使用した。但し、外交部・准外交機関等は、中国パスポート所持者に対する警戒心が強く、史料を出さないことも多数あったため、一次外交史料の収集は頓挫された。台湾海峡両岸のイデオロギー的な対立は如何に深刻なのか、身を以て体験し大陸出身者としての台湾研究の限界も感じさせられた。2、中国外交部梢案館では大量の外交文書を蒐集した。これらの史料は初めて公開された1940-60年代における中国共産党の台湾政策、対外宣伝方針、「台湾地位未定論」「二つの中国論」「一中一台論」「一国二政府論」への対応を中心とした極めて貴重な史料である。3、これまでの研究成果の一部を積極的に公表している。例えば、2006年アメリカン大学とJohns Hopkins Universityが共催された国際会議"Japanese Foreign Policy"において"Social Identity, United Nations Centralism, and Japanese Foreign Policy---In the case of One China Policy and the Issue of Taiwan"について報告した。なお、佐藤東洋士・李恩民編『東アジア共同体の可能性-日中関係の再検討-』(御茶の水書房、2006年)も本研究の成果の一部である。
すべて 2006
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馮崇義・江沛・〓麗蘭編『二十世紀的中国』(北京 : 中国社会科学出版社)
ページ: 396-405
関口グローバル研究会編『戦後和解プロセスの研究』(東京 : SGRA)
ページ: 13-27
Japanese Foreign Policy---Perspectives from Chinese Scholars, co-sponsored by American University and Johns Hopkins University, Washington, DC, USA
ページ: 1-21