平成16年度の上記研究課題に関する研究計画に沿って、Woodland教授(University of Sydney)とともに共同研究を行った。特にヨーロッパ並びにアメリカにおける不法移民に対する査察政策と不法移民数ならびに企業の雇用実態を、米国Department of Homeland Security(DHS)発行の"Statistical Yearbook"並びに"Annual Report"、"Employment Outlook of OECD"等の海外の資料を入手して、査察政策が施行されることによって生じた問題を抽出・整理して、査察政策の施行によって生じる不確実性の問題の重要性を検証した。検証結果については、次頁の研究図書にて2005年に発表する予定である。 さらに、これらの検証結果を基に、先進国と発展途上国との間の財貿易と不法移民問題を同時に取り扱う一般均衡モデルの構築をした。先進国政府による不法移民に対する査察政策の強化が、不法移民の数並びに財貿易にいかなる影響を及ぼすのかを数理的に分析しているところである。次年度も引き続きこの分析を進めていく予定である。
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