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2005 年度 実績報告書

報酬制度と賃金手番の内生的決定及びその経済厚生に与える効果に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530122
研究機関大分大学

研究代表者

高見 博之  大分大学, 経済学部, 助教授 (10264326)

研究分担者 中村 保  神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00237413)
キーワードprofit-sharing / 賃金交渉 / 内生的タイミング / シュタッケルベルク
研究概要

労働市場の理論的分析において,企業間または産業間における賃金決定の順番は従来与件として扱われてきた。しかし,現実には,例えば春闘において鉄鋼や自動車などのリーディング産業や大企業が先に賃金相場を形成した後,中小企業が賃金を設定している。本研究では,このような賃金決定の時間差が生じる状況について,報酬制度の違いに注目し,同質的複占モデルを構築して理論的な分析を進めてきた。
大分や神戸での定期的な研究打合わせや,東京,山口,福岡での資料収集を通じて研究を進めた。そして,Hamiltonl and Slutsky(1990)のObservable Delays Gameを援用して得られた暫定的な結論として,企業が雇用量の決定を裁量的に行なえる状況での独占的組合モデルにおいて、以下のようなことが明らかになった。
(1)Profit-Sharing制度をもつ企業と利潤最大化企業が競争している複占市場において生産性を考慮した場合,Profit-Sharing企業を大企業,利潤最大化企業を中小企業とみなして,前者が後者よりも生産性が高い状況を想定した分析から,Profit-Sharing企業のみが先行者利益を有する可能性がある。(2)上記(1)の可能性は,報酬制度を考慮せず,生産性のみで大企業・中小企業を区別した場合には発生しない。(3)また,報酬制度が異なることによる特徴を明確にするために,国際複占市場での分析に適用した場合,利潤最大化企業の存在する国の政府はつねに輸出税(負の輸出補助金)を採用するのに対し、profit-sharing企業の存在する国の政府は輸出補助金政策を採用する可能性がある。
上記(1)(2)(3)の分析結果は,各企業・各国政府の反応曲線の位置に依存して得られる。そして,上記(3)の内容については,大分大学経済論集にまとめられている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 賃金交渉と内生的シュタッケルベルク均衡2005

    • 著者名/発表者名
      高見博之(第一著者), 中村保
    • 雑誌名

      現代経済学研究 第12号

      ページ: 117-131

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 相互市場モデルにおける最適輸出補助金政策2005

    • 著者名/発表者名
      高見博之
    • 雑誌名

      大分大学経済論集 第57巻第3号

      ページ: 1-18

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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