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2005 年度 実績報告書

経済学における生物学的方法の学説史的研究:スミス・マーシャル・ヴェブレンを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 16530134
研究機関九州産業大学

研究代表者

高 哲男  九州産業大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90106790)

キーワード思想史 / アダム・スミス / T.B.ヴェブレン / 進化論 / 経済理論 / 社会進化論 / モノ作り本能
研究概要

1.アダム・スミスの著作に登場し、「アダム・スミス文庫」として所有されていた生物学者の著作を調査した。とくにリンネとビュッフォンについて、実際にスミスが読んだ版がどれであるかを確定する作業にかなりの時間を費やしたが、とくに重要なリンネのSystema Naturaeについては、生前12版まであるうち、復刻版も含め、国内大学図書館やストックホルムのRoyal Libraryにコピー依頼したりして調査し、スミスが読んだのは第10版以降、おそらく第12版であったことが分かった。結果的にこれは、スミスの初期論文のうち、従来その執筆が遅く見ても1752年、おそらく1747年以前と推定され、それに基づいて再構成されてきたスミスの科学方法論の根本的な見直しを迫るきわめて重大な発見である。現在、この新発見に依拠した英文論文を執筆中で、2006年中には発表したい。
2.ロックやヒュームによる経験主義の提唱とその功利主義的根拠付けに対するスミスの批判の意味を確定するため、両者の生物学や動物学に関する理解・知識の中身を再検討しつつあり、これも、次年度中には論文にして発表したい。現在、欧米の科学史研究の成果を調査・収集をすすめている段階である。
3.「ポスト・ダーウィンの社会科学」提唱者ヴェブレンの進化論的社会発展論の基本的な枠組みを再構成し、現代の進化生物学者、たとえばE.マイアによるダーウィン進化思想の理解と対照・比較しつつその学説史的特長を掘り下げて考察した。内容には一部重複してはいるが、その成果を、アメリカ経済思想史研究会第11回大会(2005年5月)で発表し、さらに邦文論文一編(2006年5月刊行予定)、英文論文一編として刊行した。
4.アダム・スミスの科学方法論、とくに生物学的認識を中心に再構成し、基本的な発想について先行研究者の意見を聞き、いっそう正確で内在的な解釈を行なうために、まず、2006年5月開催の学会で要点を報告することにした。そのため、6頁の「大会報告原稿」を執筆・投稿した(2006年4月刊行予定)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Veblen's Theory of Evolution and the Instinct of Workmanship : An Ethological and Biological Reinterpretation2005

    • 著者名/発表者名
      Taka, Tetsuo
    • 雑誌名

      The History of Economic Thought 47(2)

      ページ: 32-44

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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