研究課題
20世紀前半の「ケンブリッジ学派」をめぐる経済理論的・社会哲学的解明を目指す本研究にあって、本年度、取り組んだのは、戦間期ケンブリッジを代表する重要な経済学者であるロバートソン、ホートリーを中心に、ピグー、ラヴィントン、ヘンダーソンを含む経済理論および社会哲学を比較研究することであった。もとより、上記の研究の遂行過程にあって、つねにケインズとの関連は意識されている。上記の研究を進めながら、関連する学会活動に同時並行的に取り組んでいった。申請者は6月9-12日に開催されたESHET年次コンファランス(イギリス・スターリング大学)、および6月24-28日に開催されたHES年次コンファランス(アメリカ・プージェット・サウンド大学)で研究報告を行った。前者はケインズ理論をめぐるもの、後者はヴィクセル的流れをめぐるものである。9月24-25日には「ソフィア・シンポジウム」の企画代表者として、ケインズ学派関連の国際コンファランスを主宰するとともに、ケインズ研究関連のペーパーを読んだ。論文としては、1つがThe European Journal of the History of Economic Thoughtへの掲載が確定した。またイタリア人研究者と共同で兵庫県立大学所蔵のHicks Papersに収録されている書簡をもとにした共同論文を発表した。2006年3月20-23日には一橋大学で開催されるケンブリッジ学派をめぐる国際シンポジウムに参加・報告することになっている。これは申請者も中心的企画者の一人であり、充実した国際的な共同研究へと発展しつつあるものである。また来年12月には、ESHET-JSHET国際ワークショップ(フランス・ニース大学)への参加を予定しており、そのための原稿を執筆中である。
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Working Paper, Institute for Economic and Business Administration Research, University of Hyogo 207
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