研究概要 |
20世紀前半の「ケンブリッジ学派」をめぐる経済理論的・社会哲学的研究、これが本計画の目指したものである.研究成果は多岐におよぶ.第1は、著作・論文の発表である.著作としては『ケインズとケンブリッジ的世界-市場社会観と経済学』、『市場社会とは何か-ヴィジョンとデザイン』(編著)、Keynes's Theoretical Development-from the Tract to the General Theoryを、また論文としては英文による2本を国際ジャーナルに発表している.第2は、国際学会や国際シンポジウムでの関連報告、ならびに海外研究者との国際共同研究を展開してきている.第3は、ホートリー・ペーパーズ(ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジ)などの一次資料の調査・研究である. これらの研究を通じて、ケインズ、ロバートソン、ホートリーを中心に、ピグー、ラヴィントン、ヘンダーソンを含む戦間期ケンブリッジの重要な経済理論および社会哲学を相当程度掘り下げることができたと思われる。 「研究成果報告書」としては、以上のような成果のなかから、次のものを選択することにした:(1)『ケインズとケンブリッジ的世界』(同名著作の初期版);(2)"How Did Keynes Transform His Theory from the Tract into the Treatise?"(EJHE7掲載論文の初期版);(3)"How,and For How Long,Did Keynes Maintain the Treatise Theory?"(JHE7掲載論文の初期版);(4)"Seeking the Cure for the Malaise in the Market Society"(ESHET-JSHET International Conferenceでの報告論文).
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