• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

Hicks-Moorsteen生産性指数による日本経済の生産性低下要因の分析

研究課題

研究課題/領域番号 16530138
研究機関名古屋大学

研究代表者

根本 二郎  名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20180705)

キーワード生産性分析 / 効率性分析 / Hicks-Moorsteen生産性指数 / Malmquist生産性指数 / DEA / 確率フロンティア
研究概要

本研究ではHicks-Moorsteen生産性指数を用いた生産性の要因分解分析法を新たに開発し、日本経済に関する種々のデータに適用して、90年代の日本経済の生産性低下要因を分析した。本研究で開発した生産性要因分解法は、従来のSolow残差やTornqvist指数による方法と異なり、効率性の仮定(生産者が完全に効率的で常に費用最小化が実現しているという強い仮定)を置かなくとも、生産性を正しく計測しかつ非効率が生産性にどれだけ影響したかを知ることができる。すなわち、Hicks-Moorsteen指数により測られる生産性を、技術進歩要因,効率性要因,規模要因,投入・産出の混合効果に過不足なく分解できる。これら生産性指数および要因の計測には距離関数が必要であるが、距離関数の推定には確率フロンティア関数を用いるかデータ包絡分析を用いる。本研究では以下の通り、双方を用いて各種データによる3通りの分析を行った。第一は、日本を含むOECD17カ国の擬似パネルデータ(1965-1990年)でマクロのトランスログ型確率フロンティア関数を推定し距離関数を得たもの、第二は、47都道府県の擬似パネルデータ(1981-2000年)でマクロのトランスログ型フロンティア関数を推定し距離関数を得たもの、第三は、マクロレベルおよび産業レベルの時系列データ(1981-1998年)にデータ包絡分析を適用して距離関数を得たものである。これらの分析により、わが国の生産性は80年代には効率性の改善により先進国へのキャッチアップ過程にあったこと、90年代の生産性停滞は技術進歩の停滞に主な原因があるが、同時に96年の一時的回復には需要増による効率要因の回復が寄与していること、90年代後半のIT革新によると見られる生産性上昇は専ら非サービス部門に現れること等が明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Productivity, Efficiency, Scale Economies and Technical Change : a New Decomposition Analysis of TFP Applied to the Japanese Prefectures2005

    • 著者名/発表者名
      根本二郎
    • 雑誌名

      Journal of the Japanese and International Economies 19

      ページ: 617-634

  • [図書] 東アジア経済発展のマクロ計量分析2006

    • 著者名/発表者名
      山田 光男
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      勁草書房
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi