研究概要 |
1 省別資本ストックの推計を行った. (1)推計方法として一般的なベンチマーク法と,TFP成長率と資本ストック系列を同時に推定する江崎・孫の方法を比較し,後者の方法はきわめて魅力的であるが問題も少なくないことを示した. (2)前者は特定時点の全国のストックを地域に配分してベンチマークとするのが一般的であるが,その配分方法が問題になる.この点を考慮し,繰り返し計算によって各地域への配分率を与える方法を示した. (3)その方法でストックを推計し,論文として発表した. 2 地域成長のベンチマークモデルを構築し,分析を行った. (1)新古典派成長理論に従った形の地域経済成長モデルをベンチマークモデルとして構築し,推定を行った. (2)推定結果によれば,地域間格差が長期的に縮小していくための条件は満たされていなかった. (3)以上は現在,未刊行論文の形になっている. 3 地域間格差が長期的に縮小していくための条件はなぜ満たされなかったのか,その背後には諸変数およびパラメータのどのような動きがあったのか,この点が明らかにできるようにモデルを拡張する作業を現在行っている.
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