研究概要 |
学会報告1:日本人口学会第56回大会(『人口学研究』に投稿中。) 所得増大に伴って、人口移動に対する地域間所得格差の作用は弱まったか」については、人口移動に対する地域間所得格差の作用が弱まる明確な関係があった。また地域間所得格差の拡大(縮小)は、人口移動に対する地域間所得格差の作用を強める(弱める)明確な関係があった。「所得増大に伴って、人口移動に対する気候アメニティの地域間の差異の作用は強まったか」については、人口移動に対する地域間温暖格差の作用は、温暖地への移動促進傾向が強まるように作用したが、余り明確な関係ではなかった。 学会報告2:日本地域学会第41回全国大会(『地域学研究』に投稿中) 「全国的な所得増大に伴って、人口移動に対する所得の反応スピードは低下したか」については、「10-19歳⇒15-24歳」の加齢過程では、反応スピードβを低下させるように作用したことが判明した。その他の加齢過程では、「20-24歳⇒25-29歳」のように、βの大きさは所得格差の大きい時期は正であるが、小さい時期は負となるように、所得格差の大小と比例的な関係が見出された。「全国的な所得増大に伴って、人口移動に対するアメニティ(気候)の反応スピードは上昇したか」については、明確には判明しなかった。 学会報告3:日本計画行政学会第27回全国大会(伊藤薫「社会指標の特徴と生活水準の構成要素について」Review of Economics and Information Studies, vol.5,No,3.4,pp.1-39、として掲載) 「日本の社会指標の特徴と問題点の把握」については、(1)社会指標の作成意義は非常に大きいが、国民の福祉水準を、だた一つの数値で表わすことに成功してこなかった。(2)達成したのは、生活水準の「変化」の表示である。「人々の生活水準を構成する主要な生活分野を把握すること」については、生活水準の構成要素を各種の社会指標で比較してみると、基本的な生活水準の内容はほぼコンセンサスが成立していると考えてよい。なお本研究は、今後の基礎研究として実施した。
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