研究課題
Movshukの研究では、ライフ・サイクル・モデルに基づく消費行動分析に関し、年齢効果に注目した新手法を提案した上で、台湾とタイの家計調査ミクロデータを用いて分析した。この研究はノンパラメトリック分析であり、伝統的な先行研究結果と比較し、理論的な年齢効果に対してこの新手法がより適合していると判明した。ホリオカの研究では、様々なミクロデータを用いて、日本における家計消費・貯蓄行動(特に貯蓄目的、老後貯蓄、退職行動、遺産動機、親子関係、借入制約)に関する理論的・実証的分析を行ない、ライフ・サイクル・モデル、利他主義モデル等の家計行動に関する理論モデルが日本において成立しているかを明確にした。澤田の研究は、フィリピン国家統計局による1985〜2000年の家計調査ミクロデータを用い、同国における貧困指標の作成と、経済成長が果たした貧困削減効果を定量的に分析した。野村の研究では、家計の負債残高と貯蓄率の関係について、マクロ経済データを用いて、日本・韓国・米国の比較研究を行い、集計量における関係を確認した。負債残高と貯蓄率との関係をより詳細に調べるために、日本のミクロデータを用い、各世帯のライフステージを考慮して、家計の貯蓄・借入行動をモデル化し、実証分析により検証した。周の研究では、中国都市部の家計データを用いて、失業リスクの有無が中国の都市家計の消費と貯蓄額に与える影響を検証した。その結果、失業リスクが貯蓄率に正で有意な影響を与えていることや、食費及び養育費が失業リスクに影響されやすいこと等が判明した。山下の研究では、東アジア諸国における消費行動の比較に関し、所得格差と貧困に焦点をあて、金融危機が与えた短期的及び中期的な影響を分析した。そして金融危機後に各国が実施した社会保障政策の効果を検証した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Economic Stagnation and Recovery in Japan : Financial, Banking and International Dimensions, Cambridge, Massachusetts (Hutchison M. and F.Westermann (eds.))(The MIT Press) (印刷中)
Long Run Growth and Short Run Stabilization : Essays in Memory of Albert Ando (1929-2002),Cheltenham, Gloucester, UK. (Klein, L.(ed.))(Edward Elgar Publishing) (印刷中)
Journal of Asian Economics (印刷中)
女性たちの平成不況(樋口美雄・太田清、家計経済研究所編)(東京:日本経済新聞社)
ページ: 235-260
団塊世代の定年と日本経済(樋口美雄・財務省財務総合政策研究所編著)(東京:日本評論社)
ページ: 235-252