研究課題
近年、アジア地域においても、二国間、多国間の自由貿易協定締結への動き(アセアン諸国での関税の引き下げなど)、あるいはWTO加盟を契機として加速する中国を中心としたサプライチェーンの形成を踏まえ、現在各国でばらばらである物流政策を転換することが必要となっている。すなわち、これまでの国別のハブポート、ハブエアポート競争を乗り越え、アジアの中での共通物流政策として、効率的で環境にやさしい複合一貫輸送(インターモーダル輸送)の確立を目指すべき時にきている。上記の問題意識に基づき、平成17年度は(1)中国、韓国の物流政策、物流政策検討組織を検討すると共に、日本との比較検討を行った。(2)また、文献調査、アジア諸国に進出している日系企業(製造業(荷主)及び物流事業者(3PL事業者))へのインタビュー調査により、物流システムの問題点を明確化した。研究の成果世界的に見て高い経済成長を続ける東アジア諸国ではあるが、その牽引役としての役割を果たしているのは多国籍企業(特に製造業)であることが明らかになった。競争に勝ち残るために製造業はコア・コンピテンスに活動を集中しようとする。これは物流業者に新たなビジネス・チャンスを提供するものであり、ここにいわゆるドアトゥドアで複合一貫輸送サービスを提供しようとするサード・パーティー・ロジスティックス(3PL)の活躍する場がある。3PLを通してアジア共通物流政策の重要性を示すことができた。なお、それらの成果は、後述する「サプライチェーン・マネジメントにおけるサードパーティ・ロジスティクスの役割-日本企業の中国市場の参入を事例として-」、「The impact of information and communication technology on road freight transportation」などの論文として発表した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
日本物流学会誌 No.13
ページ: 91-98
IATSS RESEARCH Vol.29・No.1
ページ: 16-21
City Logistics IV、Institute of Systems Science Research, Kyoto
ページ: 15-29
ページ: 267-276
建設オピニオン 9月号
ページ: 14-18