研究課題
平成18年度は、昨年度に引き続き、(1)確率微分方程式を含むオイラー方程式と、動学的生産要素需要のトランスログ費用関数の、他の方程式との間の制約条件を確認し、改善に努めた。(2)次に、わが国のガス供給企業の1981年から1995年までの、実際のデータを用いて、『オイラー方程式に確率微分方程式を導入した、動学的生産要素需要のトランスログ費用関数の推定』を行った。推定し、比較した方程式群は以下の2つである。(1)動学的生産要素需要のトランスログ費用関数を制御するオイラー方程式が、確率微分方程式で表現される場合(確率化するのは資本の割引き率、depreciation rate)。(2)動学的生産要素需要のトランスログ費用関数を制御するオイラー方程式が、通常の微分方程式で表現される場合(資本の割引率を確率化しない場合)。以上の2ケースについて、トランスログ主方程式、コストシェア方程式、オイラー方程式の3本ないし、4本の方程式群をGMM手法を用いて、システム同時推定した。(3)得られた成果は学術雑誌(査読つき、裏面参照)に発表した。結果の要約は以下である。(1)2つのシステム推定方程式群の推定結果は、F検定、t-検定等では有効であった。(2)資本の割引き率(depreciation rate)の確率化の程度は、約10%程度であった。(3)資本の割引率のフラクチュエイションの程度(シグマの2乗)は、ファイナンスの計量分析の分野で計測される利子率等のフラクチュエイションの程度に比べて、小さかった。
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追手門学院大学 経済論集 41(2)
ページ: 68-89
Proceedings of the 37th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications Vol.37
ページ: 208-213