・18年度が当該研究テーマに関する研究費補助の最終年度となるため、これまで行ってきた分析結果の検証や、高齢者政策の見直しに関する政策提言、および報告書の作成に向けた作業中心研究に努めた。 ・対外的には、参議院の少子高齢化社会に関する調査会に参考人として出席して、これまでの研究成果を踏まえ「高齢期の生活保障基盤について」意見を述べたり、滋賀県知事との懇談会で「後期高齢者の増加に伴う政策対応」について報告を行ったりしたほか、北海道大学および早稲田大学での研究会や日本経済研究センター主催のセミナーなどで、高齢化による格差や社会保障への対応などについて報告し討論を行った。特に、今後日本において進展する高齢化が、経済的かつ健康的にも前期高齢者と比較して相対的に「劣る」面が多い後期高齢者を中心であることを強調したうえで、従来の高齢者対策の再検討が必要なことをデータに基づき提言した。 ・ただ、研究をとりまとめているなかで、これまで構造的に低下してきた合計特殊出生率が反転する兆候が表れたり、2002年に実施した国勢調査の結果をベースにした新しい将来人口推計が国立社会保障・人口問題研究所から発表されたりしたことから、これまでの分析結果を再検討する必要性も生じた。取り急ぎ、新しいデータの収集を行い、解析したうえで最終報告書には可能なかぎり新しい研究成果を反映させるようにした。 ・また、研究開始当初に想定していた以上にデフレが長期化したり、社会保障政策の改革があったりしたため、そうした状況変化も考慮に入れて分析結果や政策提言の部分について見直しを要する点の洗い出しと、修正等を試みた。
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