研究課題
基盤研究(C)
本研究は、水俣病発生原因企業チッソの企業の特質を労使関係の面から明らかにし、負の遺産としての水俣病事件の解明に社会科学から貢献することを課題としていた。1.熊本学園大学水俣学現地研究センター-に移管された新日窒労働組合に保存されている組合結成(1950年)以降現在に至るまでの資料の整理収集、ならびに関係者からのヒアリングを実施した。資料整理作業に関しては、整理ならびにカード化作業を終えた。2.また、関係者との調整を重ねた結果、2006年度秋より、退職労働者が数多く参加する労働運動史研究会を定例的に開催できた。この研究者と元組合員の研究会は、本研究班以外の研究者も交えて、定期的に開催され、組合資料に基づき、フォーカスグループインタビュー方式で事実関係を一つ一つ明らかにすることができている。その記録は、貴重な証言録となっている。3.また、2007年2月には、チッソ(日窒および新日窒)の財務資料を明治末期の創業期より入手可能となり、今日に至るまでの財務にかかわる報告書類をそろえることができたが、研究最終段階での資料入手であったため、本研究成果報告に活かすことは出来なかったものの分析に着手し、今後の課題をとして新たな研究の地平を開くことができるものと確信している。4.その結果、本研究ではチッソという会社と水俣病事件をめぐる問題構成を示し、それを踏まえて水俣学研究の方法論的見直しを提起し得た。また、新日窒労組旧蔵資料の整理、目録作成ができた。さらに、研究会の記録を印刷するとともに、安定賃金争議の解説と地労委斡旋の過程の持つ意味を分析しえた。なお、労使関係の視点からは記録を残しかつ資料整理も進んだところであるが、こうした社会運動史的研究と企業組織および財務との交錯的研究にまでは、資料の制約上たどりつけなかった。今後の課題としたい。
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Kumamoto Journal of Buraku Liberation vol. 50