研究課題
基盤研究(C)
本研究プロジェクトは、東アジアにおける債券発行者にとって単一国際通貨建て債券に比較した共通通貨バスケット建て債券について外国為替リスクと流動性の両面における長所と短所を実証的に分析した。その実証分析の結果は、以下のとおりである。第一に、通貨バスケット建て債券は多くのケースで外国借入れ費用とリスクを軽減することができる。第二に、米ドルは、分析対象の東アジア9か国のすべてにおいて債券発行者にとって流動性の程度が最も高い。第三に、東アジアの債券発行者は発行債券の表示通貨の選択において外国為替リスクと流動性との間でトレードオフに直面している。さらに、本研究プロジェクトは、東アジア各国の各国通貨建て債券と比較することによって、アジア通貨単位(Asian Monetary Unit : AMU)建てアジア債券のリスク特性を実証的に分析した。AMUは、東アジア通貨の通貨バスケットとして作られた共通のアジア通貨単位として想定されている。ここでは、ASEAN5か国と日本、中国、韓国、そして香港の各国通貨から構成される通貨バスケットについてシミュレーション分析を行った。その結果は、AMU建て債券はアメリカと日本の投資家にとってリスクを軽減する効果をもたらす。その理由は、AMUのポートフォリオ効果が外国為替リスクを軽減するからである。しかしながら、これらの結果は、東アジア諸国の為替相場制度に依存していることも指摘できる。
すべて 2005 2004
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Journal of Asian Economics Vol.16, Issue 4
ページ: 590-611
一橋大学商学部ワーキング・ペーパー No.101
ページ: 1-31
Journal of Asian Economics Vol.15, Issue 4
ページ: 719-738
Working Paper of Graduate School of Commerce and Management, Hitotsubashi University no.101