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2004 年度 実績報告書

中国東北・華北・黄土高原の農村市場構造の地域差と、その歴史的含意

研究課題

研究課題/領域番号 16530223
研究機関東京大学

研究代表者

安冨 歩  東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (20239768)

研究分担者 深尾 葉子  大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20193815)
キーワード市場 / 生態環境 / 廟会 / 鉄道 / 馬車 / 山東省 / 満州 / 黄土高原
研究概要

本年度の主たる研究テーマは以下の通りである。以下のテーマのうち、(3)と(6)の成果を論文として発表した。他のテーマも現在論文を作成中であり、来年度中に発表の予定である。
(1)中国農村市場に関するスキナーの古典的論文を複雑系科学の立場から再考し、そのモデルがスキナー自身が考えたように地理学の中心地理論に依拠しているとするのは間違いであり、むしろチューリング・パターンに近い性質を持つことを明らかにした。
(2)両大戦間期の山東省の煙草生産の展開について歴史的調査を行ない、稠密な定期市の分布するこの地域では鉄道の影響がその両側20km程度に限られており、地域全体に構造的影響を及ぼすものではなかったことを示した。
(3)「満洲国」時期の満洲における廟会のあり方について歴史的調査を行ない、鉄道と馬車の組み合わせによって流通機構が構成されているこの地域では、廟会のあり方が鉄道依存型の大型廟会の繁栄と村落の廟会の貧弱さが明確な対照を成していることを明らかにした。
(4)20世紀前半期の満洲において、鉄道の敷設が馬車交通システムを代替するのではなく、その形成を促進したことを明らかにした。その際に、長白山地域の山林と内モンゴル地域の馬が重要な役割を果たしており、特に清朝の皇産の崩壊が決定的意義を持ったことを示した。
(5)市場と共同体というしばしば対立的に理解されている概念について理論的考察を加え、両者が相互浸透的であり、統一的に理解されるべきであることを明らかにした。
(6)7月に瀋陽から内モンゴルの草原地帯に至る地域、瀋陽から朝陽市に至る地域の生態環境と社会編成の関係についてのフィールドワークを行なった。
(7)9月に陝西省楡林市を中心とする農村地帯で、生態環境と社会編成の関係についてのフィールドワークを行なった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 黄土高原生態文化回復活動の理念と実践2005

    • 著者名/発表者名
      深尾葉子, 安冨歩
    • 雑誌名

      東洋文化研究所紀要 146冊(印刷中)

  • [雑誌論文] 満州の廟会---「満州国」期を中心に---2004

    • 著者名/発表者名
      深尾葉子, 安冨歩
    • 雑誌名

      アジア経済 45巻5号

      ページ: 58-90

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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