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2005 年度 実績報告書

中国東北・華北・黄土高原の農村市場構造の地域差と、その歴史的含意

研究課題

研究課題/領域番号 16530223
研究機関東京大学

研究代表者

安冨 歩  東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (20239768)

研究分担者 深尾 葉子  大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20193815)
キーワード市場 / 生態環境 / 山東 / 満洲 / 大豆 / 河北 / 黄土高原 / バーザール
研究概要

本年度の主たるテーマは以下の通りである。以下のテーマのうち、(2)(8)ついて論文を発表し、(3)についての著作を刊行した。(1)(7)(8)については、既に論文を用意しており、安冨が中心になって編集している書物『「満洲」の成立』(名古屋大学出版会)に収録することが決定している。
(1)両大戦間期の山東省の煙草生産の展開について歴史的調査を行ない、稠密な定期市の分布するこの地域では鉄道の影響がその両側20km程度に限られており、地域全体に構造的影響を及ぼすものではなかったことを示した。
(2)市場と共同体というしばしば対立的に理解されている概念について理論的考察を加え、両者が相互浸透的であり、統一的に理解されるべきであることを明らかにした。
(3)このようなシステムを「マーケット」に対して「バーザール」と呼称し、その背後にあるコミュニケーションのダイナミクスについての包括的な議論を展開した。
(4)8月に陝西省楡林市を中心とする農村地帯で、生態環境と社会編成の関係についてのフィールドワークを行なった。
(5)9月に河北省南部のフィールド調査を行ない、五台山のふもとの限られた地域に豊かな山林が形成されつつあり、そこから数キロしか離れていない別の支流では全くの禿山と濁った川がみられることを明らかにした。
(6)10月に河北省北部の豊寧県・囲場県のフィールド調査を行ない、150年前には皇帝の狩場として保全されていたこの地域の森林がほぼ完全に伐採されて消滅していることを確認した。
(7)近代満洲社会を規定した大豆の国際商品化プロセスを文献調査によって明らかにした。
(8)満洲の県城経済が、町や村の分布にどのような影響を与えているかを衛星写真などを用いて分析し、定期市経済の発達した山東との比較を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マーケットからバーザールへ□共同体と市場の二項対立を越えて2006

    • 著者名/発表者名
      安冨歩
    • 雑誌名

      経済論叢(京都大学経済学会) 175-3(印刷中)

  • [雑誌論文] 黄土高原生態文化回復活動の理念と実践2005

    • 著者名/発表者名
      深尾葉子, 安冨歩
    • 雑誌名

      東洋文化研究所紀要 147号

      ページ: 402(21)-342(81)

  • [図書] 複雑さを生きる-やわらかな制御-2006

    • 著者名/発表者名
      安冨歩
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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