研究概要 |
1.世界の航空産業におけるユナイテッド航空、アメリカン航空等をはじめとする合併企業8社、全日本空輸を含む提携企業12社と日本航空を含めた非提携企業7社について9つの収益性、流動性、売上高関連指標を作成し、合併・提携の効果を分析した。合併企業と提携企業の合併・提携前後の比較によって売上債権回転期間だけがより効率化したが、ROA, ROE,自己資本比率で合併・提携後に悪化していることを指摘できた。また、合併企業と提携企業の合併・提携前1期、合併・提携期の判別精度は82%、提携企業と非提携企業の提携前1期の判別精度は86%であった。 2.1998-2002年の東洋経済新報社の海外進出企業総覧のデータとブラジルにおける日系会社年鑑を利用して、ブラジルにおける日系進出企業119社の売上高収益率へ影響を与えている変数を独立変数として11種類採用している。国際的経験知識として、親会社の海外子会社経営年数、その国籍数、海外子会社数、国内経験知識として、親会社の国内営業年数、国内子会社数、親会社や子会社の従業員数、そして、国内での継続的投資経験、製造業、親会社と子会社の業種、完全子会社か合弁かの区別のダミー変数を導入している。分析の結果、国際的、国内的経験知識は子会社の収益性に正の効果があることが指摘できた。また、継続的投資を実施することも収益性に正の効果があることがわかった。特に、5回以上の投資経験のある場合は12%を超える売上高収益率であり、それより低い回数の場合と比較すると高度に有意で高い収益性を示している。
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