研究課題
基盤研究(C)
本研究は、企業における知的財産マネジメントを製品開発戦略と統合するための戦略論を構築し、また統合戦略の遂行に適合的な知的財産部門の組織構造を明らかにすることを目的としたものである。われわれは、そのような統合戦略を志向しつつある顕著な事例として医薬品産業における知的財産のライフサイクル・マネジメントに注目し、その実態に関するデータを取得するため、平成16年度中に日本の製薬企業191社を対象とする質問票調査を実施し、64社から回答を得た。この調査データを用いた分析により、以下の点を明らかにした。新薬の開発に巨額の研究開発投資を必要とする創薬メーカーの多くは、自社オリジンの製品から得られる利益の専有可能性を高めることを目的として、すでに知的財産のライフサイクル・マネジメントへの取り組みを強化している。その取り組みは、実際にライフサイクルの長期化や後発品の参入排除に効果を及ぼしている。また、その過程では、公式プロジェクト・チームの設置などにより、部門間連携の強化が図られている。こうした戦略は、イノベーションを実施した企業にとって利益の専有可能性を高める一方、技術の普及を遅らせることから産業全体としてのイノベーションを阻害する可能性がある。この点を検証するため、われわれは特許庁『知的財産活動調査』の個票データを用いて、「特許の藪」と呼ばれるイノベーションの阻害要因の存在可能性を分析した。その結果、現状では深刻な「特許の藪」は観測されないものの、過去3年の間に次第に顕在化しつつあることが示された。
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