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2007 年度 実績報告書

日本製造業の製品開発競争力を高める企業間ネットワーク構造とプロセスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530249
研究機関神戸大学

研究代表者

延岡 健太郎  神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90263409)

キーワード組織能力 / デジタル家電 / 製品アーキテクチャ / 意味的価値 / コア技術
研究概要

定性的分析と定量的分析を組み合わせるという、研究計画の基本概念に準じて研究をすすめ、以下の実績があった。
最終年であり、以下の2つの研究手法により、両視点から論文をまとめた。
1.定性的研究による発見:オープンネットワークの限界は、「顧客ニーズの頭打ち」で決まる。日本の製造業は、完全なオープン・モジュール型の製品開発では、中国企業などにコスト競争で負けてしまう。そんため、多少コストがかかっても、クローズド型、擦り合わせ型のメリットを追求する必要がある。それを実現するためには、クローズド型によって可能となった高い機能や品質に対して顧客が追加的な対価を支払う必要がある。しかし、近年は技術レベルの高揚によって、オープン・モジュール型の低コスト商品でも十分な機能を持ってしまう点が問題である。企業に対する定性的調査によって、機能だけでは直ぐにニーズが頭打ちするので、機能を超えた意味的価値を創出することが必要であることがわかった。
2.定量的分析による発見:86のコア技術に関する質問票調査の結果、クローズドネットワークを中心とした擦り合わせ型の経営において、持続的な強みを実現するためには、知財や特許以上に組織能力の積み重ねが重要であることがわかった。特に、技術者の学習、生産技術やテスト機器の改善やデータ蓄積、組織ルーチンの構築などにおいては、長年かけた積み重ねでなければ実現できない部分がある。そのため、決して競合企業は簡単には模倣できないことがわかった。
これらの結果によって、日本の製造業が持続的に高い付加価値をあげるためには、「組織能力の積み重ね」によって「意味的価値の創出」を実現することが必要であることがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 日本のものづくりを強化する戦略&マネジメント2008

    • 著者名/発表者名
      延岡健太郎
    • 雑誌名

      マネジメントトレンド 12巻4号

      ページ: 2-10

  • [雑誌論文] 組織能力の積み重ね:模倣されない技術力とは2007

    • 著者名/発表者名
      延岡健太郎
    • 雑誌名

      組織科学 40巻 4号

      ページ: 4-14

  • [学会発表] ものづくりにおける日本の国際競争力2008

    • 著者名/発表者名
      延岡健太郎
    • 学会等名
      同志社大学 公開講演会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2008-03-08
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 日本企業のものづくりにおける価値創造の課題2008

    • 著者名/発表者名
      延岡健太郎
    • 学会等名
      第9回神戸フォーラム
    • 発表場所
      神戸商工会議所
    • 年月日
      2008-01-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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