1.追加研究の実施、研究成果のまとめ(17年度前半) (1)個別リスクとマーケット・リスクの評価:研究成果として、論文「マーケット・リスクおよび個別リスク」を、発表済み。両リスクのそれぞれのリスク料とリスク調整割引率、確実性等価との関連、評価方法を明らかにした。 (2)DCF法の評価:研究成果として、論文「海外プロジェクトの評価について」を、発表済みである。中国での投資等を例に、分散投資効果を統計的に検証し、投資家形態(分散または集中投資家)に応じた、評価の違いを明らかにした。 (3)デリバティブ評価:研究成果として、論文「リアル・オプションによる長期販売契約および合弁契約の解約条件についての評価」を、発表済み。長期契約につき先物・先渡によるリスク転嫁やオプションによるインシュアランス効果を明らかにし、合弁契約解約条件をB&Sモデルを活用し経済評価を行った。 2.日本企業の取引、企業評価の実態調査(17年度後半) (1)昨年末、日本の上場企業に対し、経営戦略、財務政策、リスクマネージメント等に関するアンケート調査を実施した。上場企業の企業価値向上に関連した財務施策の現状、実態につき、調査結果を分析し、レポートを取り纏め中である。 (2)別途、岡山県の経済同友会より研究助成を受け、昨年末、岡山県下企業に対し、アンケート調査を実施した。本科研費補助金に基づく、上場企業に対するアンケート結果と対比させることにより、地元企業の財務政策の特徴や課題を、より明確にすることが出来、報告書を取りまとめ済みで、岡山経済同友会に報告予定である。 3.他の研究テーマ(R&D事業の評価、EVA等)については、今後、論文、レポート、または、単著(企業、事業、取引評価を取り扱ったもの)等の形で取り纏める計画である。
|