研究課題/領域番号 |
16530253
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鵜野 好文 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (40137394)
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研究分担者 |
井上 正 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (70151610)
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キーワード | 社会規範(Social norm) / 社会資本(Social capital) / チーム生産 / モラル・ハザード |
研究概要 |
チーム生産における組織のモラル・ハザード行動問題はそれ程目新しいものではない。実際、それらはインセンティブ・システムの設計問題として長年に渡って研究されてきた。しかし、ここにきて、経済的合理的な制度設計の視点ではなく、本来、社会組織が持つ社会規範(social norms)が組織のモラル・ハザード行動に抑制効果を持つことが注目されるようになった。 本プロジェクトでは、本年度は従来の研究が組織行動をどのような視点から考察してきたのかレビューを行なった。その上で、従来の研究には十分に考慮されていなかった社会規範が組織のモラル・ハザード行動抑制にいかなる影響を及ぼすのかを理論的に考察した。それらは以下のとおりである。 (1)従来の研究のレビューから、経営戦略行動および組織設計行動は主として経済合理性に根ざす外在的モティベーションを基礎に展開されていることを再確認することができた。特に、パートナーシップ組織形態からプリンシパルーエージェント組織形態へと移行する背景として経済的インセンティブ・システムがよく機能することが考えられることを明らかにしてきた。(「モラル・ハザードと効率的組織構造」を参照) (2)理論モデルでは、現実の社会の個々人が自己規制的な行動を選択することが多々みられることから、組織行動を経済合理的な側面だけではなく、社会規範に自主的に従う側面も考慮に入れたモデルを検討した。その結果、経済的インセンティブ・システム設計に加えて、社会規範および社会資本を考慮した制度設計の方がより効果的に組織のモラル・ハザード行動を抑制できることがわかってきた。(「モラル・ハザードと社会規範」を参照) このような結果を踏まえ、来年度は、この理論モデルに沿った検証を進めることを検討したい。
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