研究課題
本年度は,全体の計画の中で次のような課題のタームであった。1、マクロ組織レベルと個人のクリエーターや企業家レベルの国際比較調査の実施年度と位置づけ、2、日欧において映画産業におけるコンテンツ開発を進めていくための制度インフラと組織戦略に焦点を当てて共同研究を推進した。我々は、東京地域を中心に集積するクラスター段階なっている映画制作プロダクション企業の調査を踏まえ、特に、東京都渋谷区地域における映画製作プロダクション企業の研究を進めた。有為な人材は渋谷周辺に集まっているが、人材育成を積極的に行っていかねばならない大手映画会社は中央区・千代田区に閉じこもったままであり、育成までも小さな製作プロダクションに任せようとしている。しかし製作プロダクションの多くは渋谷に集積しているが、彼らには国際競争に向けて発展的に人材を育成していくだけの十分な体力がない厳しい状況が明らかになった。約1998〜2005年における日本映画産業における高業績製作スタッフのネットワーク分析のための、データベース構築作業を行い、映画製作における製作チームを対象にし、ネットワーク分析を行った。欧州(ノルウェー)において、海外共同研究者との打合せとともに、欧州組織学会(2006年度)での研究経過の学会報告を行った。本研究は、芸術的評価だけでなく財務的成果に関する変数をも従属変数に加え、日本の映画製作スタッフのネットワーク構造の影響を定量的に分析することで、芸術的評価と財務的成果の関係について、検討を行い、ハイパフォーマンスの作品群のなかに10個の主要な製作チーム(組)が存在することを発見した。これらの研究の結果から、産業のネットワーク組織におけるソーシャル・キャピタル理論の導入による、高業績チームの構造メカニズムについての理論的考察が行い(山田・山下・若林・神吉、2007)、欧州各国のコンテンツビジネスの実像との差異が明らかとなった。
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組織科学 40(4)
経済社会学会年報 28
産業技術総合研究所・技術革新型企業創生プロジェクト Discussion Paper Series #07-08
ベンチャーズ・レビュー(日本ベンチャー学会誌) 8
組織科学 39(3)
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Working Paper, Institute of Economic Research, Kagawa University No.118
Working Paper, Institute of Economic Research, Kagawa University, Japan No.116
Academy of International Business Conference Proceedings 38