研究課題
基盤研究(C)
就業の多様化は、産業の高度化・社会の少子高齢化が進展する社会においては、企業・労働者・社会の三者に対して、メリットをもたらす。企業側からは、情報化・サービス化社会の中でビジネスプロセスを担う多様な労働者が必要である。労働者側からは、成熟化社会で自律的かつ豊かな働き方の実現を可能とする。また、社会にとっては、少子高齢化対策として、就業多様化による労働力の確保、あるいは起業促進にとって有効である。しかしながら、就業多様化は数多くのメリットを有する反面、旧来の画一的な就業形態の制度改革であることから、改革途上において、数多くの解決すべき問題や新たな秩序形成の必要性が生じていることが判明した。日本における就業多様化は、就労形態の多様化、雇用形態の多様化、勤務形態の多様化、雇用者の多様化からなる。第一の就労形態の多様化では、労働者性の定義が変質しつつあり、自営業者やボランティアでも労働者性を有する就労者が増大しており、法律的議論が必要となっている。第二の雇用形態の多様化においても、パート・派遣などの非正規雇用者と正規雇用者の処遇格差の改善による公平な制度確立が必要である。第三の勤務形態の多様化では、在宅勤務を可能とする制度確立が必要である。第四の雇用者の多様化では、女性・高齢者・若年者・男性・壮年者との間での処遇の公平化が必要である。これらを制度は、日本型ダイバーシティマネジメントの構築となる。この構築は、日本の人事制度が日本特有のものであるように、日本社会で独自に構築していくべきものである。ゆえに、先進的な企業で上記の多様な就業形態の中で、公平でかつ欲求充足的な人事制度を導入している個別企業の事例を探索し、それを先進的モデルとして、普及していくという方法を採用せざるをえない。パートで取締役という制度を導入しているS社、在宅勤務などのフレキシブルな勤務制度を採用しているN社、自動製造システム構築の結果として肉体労働者から知識労働者への移転を可能としたY社、SOHOからなるネットワーク型組織で会社運営をしているY社など、先進的なモデル企業が発見されている。こうした事例をモデルとして、多様な就業形態でのダイバーシティマネジメントとは何かを究明できることが明らかになった。その結果として、労使の信頼関係は維持可能となる。
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