研究概要 |
本研究は,ゲーム理論の分析枠組に従いながら,戦略的提携の安定性に関するロジックを明らかにするとともに,その決定要因および組織学習効果との関係について,実証的に解明することを目的としたものである。平成16年度と17年度の2ヵ年にわたり実施された。 平成17年度の研究成果は主として次の3点である。 1.戦略的提携の有効性を検討するために、M&Aとの比較を行った。技術水準別、組織学習の必要性の程度によって、有効性がどの程度異なるのか、主として文献研究による分析を試みた。この結果については、「科学研究費補助金成果報告書」(冊子体)において英文にて発表している。 2.戦略的提携における信頼の重要性に着目して、その影響パターンをシステム・ダイナミクスによるシミュレーションによって予測した。その結果、低信頼・高不確実性下では、パートナー関係が最も不安定になることが発見された。しかしながら、そうした状況下でもパートナー関係を維持することができた場合は、パートナー関係に関係的信頼が形成され安定的な関係が形成されることがわかった。この結果については、Meiji Business Review, Vol.53, No.4,において英文にて発表されている。 3.平成16年度の研究成果発表として、第4回21世紀産業経営管理国際学術検討会議(2005年12月9日、台湾国 国立高雄応用科技大学)において、「戦略的提携の安定性に関する研究:理論的解明と実証」というタイトルで研究報告を行った。
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