研究概要 |
研究計画で述べた目標に沿って活動実績を報告する。 1)選好変化の測定方法の精緻化:これまで潜在クラス・ロジット・モデルを採用してきたが,最近マーケティング・サイエンス分野で注目されている階層ベイズ・プロビット・モデルを導入した。その結果,時間とともに選好が平均的にどう変化するかだけでなく,その個人間異質性がどう変化するかが測定された。その成果は,International Conference on "Recent Development of Statistical Modeling in Marketing-Latent Variable and Latent Structure Approach-"(平成16年12月1日,文科省統計数理研究所)にて発表した。 2)選好変化メカニズムの実証研究:言語の選好形成に及ぼす効果については,1)で紹介した研究を含む嗜好テストの結果の結果を取りまとめ,投稿先を模索している。また,分析対象を抽象的な言語メッセージから具体的な広告に広げ,その選好に及ぼす効果の実証分析を行なった。平成17年度に国際学会で報告する予定である。もう1つの要因として個人間相互作用に注目し,携帯電話サービスにおける他者の影響をコンジョイント分析によって測定する実験を行ない,その結果を日本マーケティング・サイエンス学会(平成16年12月5日,立教大学)にて発表した。 3)選好変化への製品政策に関する情報収集:最新の研究動向を把握するため,Marketing Science Conference(平成16年6月25日,Erasmus University Rotterdam)に参加した。またそれ以外にも,各種学会・研究会に参加した。 4)選好変化メカニズムの理論化:計画時点では平成17年以降の課題であったが,エージェントベース・シミュレーションによる研究に着手,進化経済学会(平成17年3月27日,東京工業大学)で発表した。
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