1.パレットレンタルシステムの調査 全国的なパレットレンタルのサービスを実施している日本パレットレンタル株式会社と日本パレットプール株式会社の2社を対象に調査を実施した。主たる調査項目は次の3項目である。 (1)パレットのレンタル方法 荷主は発地のデポで、必要な枚数のパレットを借り、目的地まで輸送をした後、着地で不要となった時点で、着地のデポへパレットを返却している。また、他の品物、CDやビデオのレンタル方法と異なる大きな特徴として、借用したパレットと返却するパレットは必ずしも同一でなくてもよく、荷主の利便性向上のために同数のパレットを返却することが認められていることが分かった。 (2)事業拠点数ならびに配置 パレットレンタルシステムにおける事業拠点は、大きく二種類あり、一つは返却されたパレットの選別、修繕等を行う規模の比較的大きな拠点と、もう一つは製品等のパレットの保管のみを行う小規模の拠点から構成されることが分かった。この内、修繕等を行う拠点は、全国に数十拠点あり、保管のみを行う拠点は、二百拠点程度ある。 (3)拠点施設内作業 修繕等を行っている拠点における作業工程について調査を実施し、パレットの工程上の流れについて明らかにした。 2.数理的方法による検討 (1)モデル化 パレットレンタル・デポ、パレット生産工場、需要地をノードとし、これらノード間の借用及び返却のパレット輸送をリンクとするネットワークモデルを構築した。そして、このネットワークモデルに関して線形計画法を用いて数理モデルとして定式化を行った。 (2)感度分析 パレットレンタルシステムにおける拠点配置に大きく影響する要因として、パレットの集配にかかる所要時間が上げられる。そこで時間価値の概念を導入し、集配にかかる所要時間と拠点配置の関係について感度分析を実施した。
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