1.数理的方法による検討 (1)モデル化 平成16年度に構築したパレットレンタル・デポ、パレット生産工場、需要地をノードとし、これらノード間の借用及び返却のパレット輸送をリンクとするネットワークモデルを拡張し、各ノードにおけるパレット在庫を考慮した数理モデルを構築した。 (2)検討項目 構築したモデルを用いて、費用削減のための方策として次の3つの検討を行った。 (1)パレットの品質標準化による費用の削減 (2)デポの拠点集約による費用の削減 (3)パレットの乾燥時間短縮による費用の削減 2.検討結果 (1)パレットの品質標準化による費用の削減 材質、寸法が全く同じパレットでも業種別に異なるアイテムとして使用されている。そこで品質の保証を行い、業種別にアイテムを分けずにすむ場合の費用削減効果について試算した。その結果、3アイテムを1アイテムに集約できれば、在庫費用を13%程度削減できることが分かった。 (2)デポの拠点集約による費用の削減 デポの立地は、顧客の倉庫等の近接地としていることが多く、施設の固定費が増大している。そこで一つのデポの集配圏の拡大により、拠点を集約することにより、どの程度、費用削減が可能か試算を行った。この結果、集配圏を3倍に拡大した場合、在庫費用を19%程度削減できることが分かった。 (3)パレットの乾燥時間短縮による費用の削減 木製パレットをレンタルする場合、1週間程度の乾燥期間必要である。そこで、プラスチックパレットを使用することによる乾燥期間の短縮による費用の削減効果を検討した。その結果、在庫費用を約21%程度削減できることが分かった。
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