研究概要 |
1990年代以降の「日本の流通変革」を総括する研究の一環として,小売ミックス戦略の革新,商品供給システムの革新,組織構造の革新という3つの角度から「小売業の業態革新」に焦点を当てた研究に取り組みました。まず第1に,(1)小売企業の営業形態をめぐる概念整理,(2)小売企業の商品調達・商品開発に関する概念整理,(3)小売企業の取引や取り組みをめぐる概念整理,(4)小売企業の販売組織をめぐる概念整理,(5)「業態構造」:小売ミックス戦略に関する既存研究の整理・展望,(6)「商品調達・開発」:商品調達・商品開発に関する既存研究の整理・展望,(7)「取引関係」:流通パートナーシップに関する既存研究の整理・展望,(8)「販売組織」:フランチャイズ・システムを中心とした販売組織に関する既存研究の整理・展望,という形で,既存研究の整理検討を行いました。 第2に,実態分析・実証分析としては,(9)日本の小売業態革新に関して,小売ミックス戦略,商品開発・調達をめぐるパートナーシップと,販売システムの組織化の傾向に焦点を絞った実態調査,(10)小売業態革新が与える経営効率への影響に関する実証分析,第3に理論分析としては,(11)小売ミックス戦略に関する多段階ゲーム理論による小売業態の発展パターンのモデル分析,(12)商品調達・開発をめぐるパートナーシップの戦略的行動の分析,(13)フランチャイズ・システムの契約理論による分析を平行して試みています。 研成果の一部は海外の2つの学会で報告し,学会の報告集(Refereed Proceedings)に公刊されました。 1.Masayoshi, Maruyama, "Attainability of the First-best Outcome by Using Royalty Contract," The Proceedings of the European Institute of Retailing and Service Studies Conference, July 2004. 2.Masayoshi Maruyama, "Royalty Fee as a Device for Channel Coordination," The Proceedings of Australia & New Zealand Marketing Academy Conference, November 2004. また,レフェリー付き専門雑誌(Refereed Journal)に以下の論文 Masayoshi Maruyama, "Japanese Distribution Channel : Strategy and Structure, "The Japanese Economy, Vol.32, no.3, Fall 2004 が近刊予定となっています。
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