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2004 年度 実績報告書

デリバリー・プロセスを構成する活動の主体的・空間的・時間的移転に関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 16530282
研究機関香川大学

研究代表者

藤村 和宏  香川大学, 経済学部, 教授 (60229036)

キーワードアウトソーシング / セルフサービス / グローバル化
研究概要

日本のサービス業界では現在、アウトソーシングを進めることで正社員数の削減を図るという動きと、その正反対の動きが同時にみられる。前者は、コストに占める固定費比率(特に人件費比率)を下げることにより、需要水準が低い場合でも価格競争力を維持しようとする動きである。一方、後者は、固定費比率は高まるが、従業員を自ら採用・教育することでデリバリーに必要な知識や技能を組織に蓄積し、品質面での競争力を強化しようとする動きである。日本のサービス組織が高い品質水準のサービスを提供できてきたのはこの資源の内部蓄積によるところが大きい。しかし、サービス業界でも競争はグローバル化していることから、固定費比率を抑えることで価格競争力をつけながら、品質競争力を維持・向上させることが求められている。
抑制可能な固定費比率の水準は、業界構造、サービス・コンセプト、デリバリー・プロセスなどによって異なることが明らかになった。また、価格面と品質面での競争力はトレードオフの関係ではなく、同時達成が可能なものである。固定費比率の低下は、アウトソーシング以外の方法、たとえばデリバリー・プロセスの一部のセルフサービス化、IT導入によるデリバリー・プロセスの再設計、グループ企業内での人的資源の流動的活用などによっても図られており、これらの方法の適切な組み合わせにより、固定費比率を低い水準に抑えながら、サービス品質の維持・向上が可能になっている。
また、従来のサービス組織の国際化は、海外に進出した日本企業や日本人旅行者へのサービス提供を目的に行われていたが、最初から現地の消費者へのサービス提供を目的とした国際展開もでてきている。しかし、日本のサービス組織の多くは従業員の個人的能力に依存してサービス品質を維持してきたために、ハードおよびソフトのシステム開発が遅れており、海外展開の阻害要因となっていることも明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] サービス組織における問題解決装置としての"伝統"2005

    • 著者名/発表者名
      藤村和宏
    • 雑誌名

      香川大学経済論叢 第77巻第4号

      ページ: 109-143

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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