研究課題/領域番号 |
16530284
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
黒岩 健一郎 武蔵大学, 経済学部, 講師 (00366840)
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研究分担者 |
余田 拓郎 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 助教授 (30305552)
川又 啓子 京都産業大学, 経営学部, 助教授 (00306854)
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キーワード | マーケティング / コミュニケーション / 信頼 / 苦情 |
研究概要 |
本研究の目的は、消費者や顧客との接点において発生した危機が原因となって企業の信頼が失われた際に、企業はどのように信頼を修復するべきかをマーケティング・コミュニケーションの視点から明らかにすることである。 本年度は次のような研究活動を行った。第一に、企業の信頼が失墜する主要な原因である顧客からの苦情に関する文献レビューを行った。どのような要因が消費者の苦情行動を規定するのか、またマイナスの口コミ行動を規定するのかを過去の研究から明らかにした。 第二に、消費者からの苦情への企業の対応に関する文献レビューを行った。苦情に対応したときの効果、およびいかに対応すれば信頼回復につながるかについて過去の研究を通じて理解した。 第三に、消費者からの苦情対応を担う顧客相談窓口の現状とその仕組みを理解するために、資生堂を始め複数の顧客相談窓口担当者にインタビューを行った。 第四に、医療機関にとって医療過誤により失墜した信頼を回復することは喫緊の課題であり、本研究の事例研究として取り上げる予定であるが、今年度はその準備段階として、医療過誤に関する文献研究と医療機関への予備調査(ヒアリング)を行った。 第五に、過去の研究成果のレビューと企業へのインタビューによって、企業と顧客との間に形成される信頼の次元を特定化した。さらに、得られた信頼の次元に基づいて信頼を規定するマーケティング・コミュニケーションの内容について検討を行い、信頼関係とコミュニケーションの構造に関わる仮説を導出した。
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