本年度は初年度ということで、国内外の事例収集おもにおこない、特にデータの収集と整理を中心に研究を行なった。山口不二夫(明治大学・教授)は夏季(7月から8月)にかけて、海外の事例収集と研究のためにNPM(ニュー・パブリック・マネジメント)の先進地域であるイギリス、ロンドン市及びバーミンガム市を訪問した。現地では、文献収集が主となったが、バーミンガム市では、市当局者にインタビューする機会を得た。 また、山口由二(大東文化大学・助教授)は国内の事例を中心に研究を進めた。特に、板橋区については、大東文化大学が地方自治体である板橋区と連携して進めているプロジェクト(地域デザインフォーラム)に参加して、特に第1部会において、政策評価について、自治体のバランスシート導入問題との関連性についても調査・研究を進めた。この研究ではNPMの手法として企業会計の導入と共に進められた、政策(行政)評価制度について、その導入の経緯と企業会計方式導入との関係について、日本におけるNPMの先進地域である、三重県、横須賀市、岩手県について事例研究を進めた。さらに、板橋区との比較を考えて江東区、練馬区、杉並区、北区について実際の資料を取り上げて比較研究した。これらの研究成果は、地域デザインフォーラム・ブックレットNo.9『政策評価制度』にまとめられている。 さらに、自治体のバランスシートのデータベース化は東京都特別区(23区)を中心に進められた。現時点では、試験的なものであるが、次年度は、データベースの書式の確立を中心に研究を進める所存である。
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