本年度は、研究の最終年度にあたり、下記の2つの点で一定の実績をあげることができた。 第1に、雑誌『會計』(森山書店刊)の平成17年4月号から8月号まで5回連続で、「企業統治の会計学」と題して、論文を連載できたことである。 そこでは本研究テーマである「企業統治の会計学のフレームワーク」をつぎのように定義して、提示した。 すなわち、「企業統治とは、会計行為が戦略から導かれ、それをもとに全般的な事業活動からなる会計情報が作成され、補正され、報告されるプロセスにかかわる企業組織の自律的な仕組みである。」 また、連載ではこの定義のもとに、つぎの5つの問題を対象として「企業統治の会計学のフレームワーク」を構築した。 「財務報告プロセスをめぐる企業統治の2つの型」、「財務報告プロセスの再編成」、「収益認識の企業統治」、「企業統治しての減損会計」。 第2に、もうひとつの課題である年金基金のガバナンス問題についても、ひとつの体系を提起できた点である。
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