平成16年度の研究計画は、これまでに行ってきた研究成果を本研究反映させる<1.総合分析プロセス>と、環境会計と企業統治を結びつけるための<2.コーポレート・ガバナンスへの会計アプローチのプロセス>という2つの研究プロセスで構成したものであった。本年度におけるこの具体的実施状況は、次のようになる。 1.総合分析プロセス 研究計画で掲げた問題意識のうち近時特に注目を集めている課題[a]「企業の社会的責任(CSR)」を中心に、これまでの研究成果について2つの学会報告を行った。 (1)日本管理会計学会第1回フォーラム(2004.4.3.明治大学)における自由論題報告 千葉貴律「企業の社会的責任(CSR)に対する会計アプローチ」 (2)日本会計研究学会第63回大会(2004.9.10.中央大学)における自由論題報告 千葉貴律「エコ・ガバナンスを指向する環境会計設計」 2.コーポレート・ガバナンスへの会計アプローチのプロセス 環境経営とコーポレート・ガバナンスとの具体的な実務ベースでの関係性を分析するため、主要企業約180社の2004年度版環境報告書(CSR報告書、サスティナビリティ・レポート等を含む)を入手し、記載内容の分析に取り組んだ。現時点では集計・分析は未了であるが、量的な動向分析ではなく、先進的事例が他企業に与える波及効果を念頭に置きながら分析を進めている。この分析結果は次年度で研究報告を行うとともに、本研究の目標であるエコ・ガバナンスモデルの構築への重要な布石と位置づけている。
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