研究概要 |
(研究実績の概要) 本年度は,主として,ブランド、特許権などの知的財産の証券化の基礎となるブランド価値評価モデル、特許権価値評価モデルなどについて研究を行い,次のような研究成果を得た。 (1)ブランドの証券化 ブランドの証券化の前提となるブランド価値評価額の算定を試みた。試算には,経済産業省モデルを用い,上場企業の2004年度のブランド価値評価額を試算した。また,ブランド価値評価額をどのように利用することができるのかを投資者および経営者の視点から検討し、その結果純資産にブランド価値評価額を加えた修正PBR(修正株価純資産倍率)が指標として有用であることが判明した。 (2)特許権の証券化 特許権の価値評価モデルの必要性および価値評価モデルの基本的な方針について検討した。それにより,特許権の価値評価モデルの構築が,自社実施および他社実施によるキャシュフローの算定はもとより、特許権の証券化,特許権侵害訴訟をめぐる紛争の解決、休眠特許の掘り起こし、職務発明に伴う相当の対価の算定、移転価格税制問題の解決のためにも必要であることが確認された。 また,海外調査により,米国における特許権をはじめとする知的財産の証券化の現状について把握することができた。その結果,米国では知的財産の証券化の中で、現在はコンテンツの証券化が、将来的には休眠特許権の証券化が有望であると考えられていることが判明した。
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