研究課題/領域番号 |
16530305
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
廣瀬 義州 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80140739)
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研究分担者 |
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
櫻井 久勝 神戸大学, 経営学部, 教授 (10127368)
藤田 晶子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20227599)
渡辺 剛 福岡大学, 商学部, 助教授 (30269493)
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キーワード | 知的財産 / 証券化 / ブランド価値評価モデル / 特許権価値評価モデル / 修正PBR |
研究概要 |
平成17年度は、研究代表者を座長とし、本研究会の委員でもある桜井久勝および晝間文彦両教授が専門委員として参加した「知財評価研究会」が構築した「特許権価値評価モデル(PatVM)」に基づく証券化のスキームについて主として検討をするとともに、ブランド価値評価モデルに基づく時系列的研究などについて研究代表者、本研究会の委員でもある渡辺剛助教授が野村総合研究所(NRI)とで「企業の知的財産評価プロジェクト」を実施し、おおむね次のような研究成果を得た。 (1)ブランドの証券化 経済産業省モデルを用いてブランドの証券化の前提となる上場企業のブランド価値評価額直近5年度分の時系列的算定とその分析を試みた。その結果を「週間ダイヤモンド」(10月25日号、2005)で公表したところ、大きな反響があった。5年間のブランド価値を時系列的に算定しても評価額がぶれないこと、また純資産にブランド価値評価額を加えた修正PBR(修正株価純資産倍率)が投資指標として有用であることも判明し、ブランドの証券化には経済産業省モデルを用いることが前提であるとの結論を得た。 (2)特許権の証券化 「知財評価研究会」が構築した「特許権価値評価モデル(PatVM)」は、特許権の特質を反映し、その価値評価に必要不可欠と考えられる定性要因を積極的に取り入れているが、定量要因と同様に、検証可能性を確保し一定の合理性を有するスコアリングシステムを開発しており、財務諸表監査による信頼性を担保しているモデルであると評価した。また、PatVMはFASBおよびアメリカの格付機関であるS&Pからも高い評価を受けているモデルである。さらに、PatVMは本研究会でも昨年度提言した期待キャッシュフローアプローチに基づいており、証券化の前提条件の1つである倒産隔離の視点からも、特許権の証券化を行うためには現時点で最適なモデルであるとの結論を得た。
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