初年度の研究成果は、目下執筆中の単著論文「ジョイント・ベンチャーの形成と連結の会計」にて取りまとめ中であるが、その章立て以下のようになる。 I、新企業結合会計基準におけるJV形成の扱い方 II、JVの「共同支配」概念と「比例連結」の論理と実務 III、JV形成における知的財産の評価問題 VI、JVに関わる開示問題-「経営上の重要な契約等」としての合弁契約等 Iでは、JV形成における会計処理ついて、わが国企業結合会計基準によって適用を決定した持分プーリング法と、国際財務報告基準(IFRS)が将来の適用を予告しているフレッシュスタート法を比較検討する。これからのJV形成と連結に新たな展望を切り開くのが意図である。 IIでは、資産概念ならびにグループ企業の中核概念となる共同支配と、その実態を最も忠実な会計的写像を描き出す比例連結について、リスクマネジメント、減損テスト等への対応面も考慮しながら、論理と実務両面にわたって論じる。 IIIでは、技術を現物出資することによって設立されたJVを例として、内部創設無形資産である知的財産の取扱いを論じる。これからの自己創設無形資産会計に新たな視点を投じたい。 IVでは、有価証券報告書におけるJVの開示の実態を分析する。
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