研究課題
基盤研究(C)
(1)経営者予想の特性に関する実証分析本邦では証券取引所の要請にもとづき、決算短信公表時の経営者による業績予想情報の開示と、随時予想情報の期中修正が制度化されている。これは米国にはない日本特有の制度である。そのため関連する米国の先行研究では、実績またはアナリスト予想が主たる分析対象となってきた。本邦企業を対象とした先行研究も少ない。そこで本研究では、経営者予想が持つ特性の分析に焦点を当て、研究を進めてきた。分析結果からは、期首(決算短信公表時)に行う予想に楽観的な傾向が見られる一方、期中の修正を経て、期末のサプライズ(実績-直近修正予想)をプラスに維持するよう、予想情報管理(Expectation management)の実態が浮かび上がってきている。楽観的な期首予想公表は、訴訟リスクが高い米国等欧米諸外国と比べ、際立った特徴である。ここから、本邦企業は予想情報(外部への提供情報)を内部管理目標とリンクさせ、企業経営の一手段として利用している可能性が示唆された。また四半期情報開示制度導入に伴い、情報公表頻度(予想修正、前回予想を維持を含め)が上昇している事実も観測されている。一方、期中での業績下方修正頻度が高い事実は、予想精度、予想上表公表制度自体への疑念をもたらすものであるが、当期の業績予想能力は、前期の実績と比べた場合、遥かに期首予想情報を利用した場合のパフォーマンスが高い。精度の面での問題を残しつつも、経営者予想の情報有用性が確認された。(2)四半期報告書の法制化に対する関係者の動向金融審議会では本年5月頃に四半期報告書制度を法制化する方向で報告書をとりまとめ、金融庁はそれを受けて証券取引法を改正し、同制度の導入を図るとのことである。企業会計審議会が昭和61年にこの問題を提起した以降、現在までの関係者の動向を、関係者に対するヒアリングおよび、文献・各種報告書・審議会をはじめとする議事録等から調査を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (8件)
経営財務 No.2756
ページ: 38-44
Osaka University of Economics Working Paper Series NO.2005-09
ページ: 52
Weekly Accounting Journal, Financial Accounting No.2756
Osaka University of Economics Working Paper Series No.2005-9
ページ: 1-52
経営財務 No.2710〜2721
ページ: 41
Osaka University of Economics Working Paper Series NO.2005-01
ページ: 29
Weekly Accounting Journal, Financial Accounting No.2710-2771
Osaka University of Economics Working Paper Series No.2005-1
ページ: 1-29