研究課題
基盤研究(C)
グローバル化が進む今日、海外勤務や文化的背景の異なる同僚と働くこともまれでなくなっている。こうした多文化環境での勤務はストレスが多いが、激しい国際競争の中で、企業で働く従業員の生活の質やストレスは軽視されがちである。しかし、組織を支えその活力を生み出しているのは、一人一人の個人であり、企業のパフォーマンス向上のためにも組織と個が共生できる職場環境の構築が必要である。このような視点から国内外を問わず、従業員の海外勤務や異文化由来のストレスを軽減する対応策について健康社会学の視点から検討を加えた。研修については、すべての従業員の国際化が必要であることはいうまでもないが、とりわけ上司に当たる管理職への国際リーダーシップ研修や企業の事例にそったケーススタディが効果的であると考えられた。また、伝統的な海外派遣勤務者だけでなく、逆出向・現地採用・女性の登用など多様な人選をはかりグローバルモビリティを高めることが、海外派遣者のストレス軽減につながるものと考えられた。一方で多様な構成員からなる集団のストレスを把握することは一概に容易ではなく、項目反応理論などを活用して簡便なスケールを開発することも有用であることが示唆された。最後に、駐在員の配偶者などを中心に海外では日本人コミュニティーでのセルフサポート的な活動も成長してきており、企業が直接海外勤務者を支援するのではなく、こうした活動を間接的に支援していくことも今後十分検討に値するものと考えられた。
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