研究課題
本研究の目的は、トータルな地域ケアシステムの創造に不可欠な住民の主体性の形成において医療従事者が果たしてきた役割、その成果及び今後の課題を明らかにすることである。そのため本研究では、医師、看護師など医療機関・医療関係者が地域ケアシステム形成の主導的役割を担っている3つの地域において、その成立の過程と現状及び今日的課題を明らかにする。それぞれの地域において、医師らと住民のかかわりの具体例を把握した。平成16年度においては、次の3つの対象地域において調査・研究を行った。(1)岐阜県久瀬村(2)長野県武石村(3)新潟県大和町1)資料収集及び行政担当者への面接調査3つの対象地の関係諸機関より各種統計資料を入手すると同時に、行政の担当者への面会調査を通して、各自治体における地域医療・地域福祉の今日までの歩みを概観した。2)地域ケアシステムの形成に関与した関係者への面接調査(1)医療従事者(医師・看護師等)(2)福祉・保健従事者(ケアマネージャー・ヘルパー・保健師等)(3)自治体の責任者(首長・議員・町内会長等)(4)地域住民以上を対象に面接調査を行った。3)調査結果3つの対象地域において、地域医療に従事する医師・看護師等は、その日々の活動の中で、住民に自らの「老いの設計図」を描くことの必要性を訴えることによって、老いの備えに関する住民の意識改革を図っていた。そのことが、各地域における独自な地域ケアシステムの形成・展開過程を生み出す原動力になっていることが判明した。
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岐阜大学教育学部研究報告-人文科学- 53巻2号
ページ: 59-72
スロバキアと日本における出生率低下・人口移動・高齢化の相互関連についての地理学的研究(岐阜大学教授 小林浩二,コメニウス大学-教授 ヨセフ・ムラデク編) 報告書
ページ: 90-98
国際研究集会「家族・暮らし・地域の変化-日本とスロバキア」(岐阜大学・教授・小林浩二、コメニウス大学・教授 ヨセフ・ムラデク編) 報告書
ページ: 116-127