• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

市町村合併が地域福祉社会に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530331
研究機関大分大学

研究代表者

奥田 憲昭  大分大学, 経済学部, 教授 (60123585)

キーワード市町村合併 / 行政組織 / 行政サービス / 変化パターン / 住民評価 / 社会福祉協議会の合併 / 支援と依存 / 地域福祉サービス
研究概要

市町村合併が地域福祉社会に及ぼす影響について大分県日田市郡6町村の合併を事例として調査研究。平成17年3月23日、旧日田市郡6市町村(日田市・天瀬町・大山町・前津江村・中津江村・上津江村)は編入合併により合併し、日田市となった。平成16年度は合併前の状況調査(行政組織・行政サービス・社会福祉協議会の実態)を行い、平成17年度は合併後の調査を実施してきた。本年度は最終年度であることから、これまでの調査研究で欠落していた部分を追加調査し、それらを分析し論文としてまとめることに時間を注いだ。
市町村合併は基本的には基礎自治体の合併であることから、平成16年度においては合併前の福祉行政組織と福祉行政サービスへの影響について調査し、平成17年度においては合併後それらがどのように変化したかについて調査分析してきた。また、本年度(平成18年度)については、合併後の福祉行政サービスへの影響を取りまとめ、福祉社会学会で報告し、大分大学大学院福祉社会科学研究科紀要に発表した。また、平成17年度後半に実施した民生児童委員と地域審議会委員全員へのアンケート調査を分析し、大分大学大学院福祉社会科学研究科紀要において住民が合併をどのように受け止めているかを明らかにした。
これの調査によって明らかになったのは、以下のような点である。(1)旧町村部の行政サービスは現状維持のものが圧倒的に多い。(2)変化パターンのなかでは低下したパターンよりも向上したパターンが多い。(3)したがって旧町村部の行政サービスは悪化したというよりも、むしろ全体としては向上している。(4)にもかかわらず、圧倒的に多くの旧町村住民が福祉サービスは悪化したと捉えている。このような行政サービスの実態と住民評価の差異がなぜ生じたかといった点について考察することが重要な課題として浮かびあがった。民生児童委員6地域審議会委員調査の記述式回答に基づきこれらの原因を指摘した。
行政サービスの実態と住民評価の大きな落差の原因の一つが社会福祉協議会の合併にあることが、合併前後の社会福祉協議会調査(16年・17年実施、本年度追加調査)からも明らかとなった。社会福祉協議会は組織・事業・経営といった観点から分析したが、この結果、組織面において統合・効率化により職員数が相当削減されたこと、経営面において町村部の社会福祉協議会は行政から多くの委託金を受け取っていたのが合併後大幅に減額されこと、などにより町村部においては社会福祉協議会の地域福祉サービスが大きく低下していたのである。以上のような社会福祉協議会に関する研究結果の一部を大分大学コミュニティ総合研究センターの研究誌にまとめ発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 市町村合併と福祉行政サービス-大分県日田市の場合-(下)2007

    • 著者名/発表者名
      奥田 憲昭
    • 雑誌名

      紀要 大分大学大学院福祉社会科学研究科 第7号

      ページ: 1-28

  • [雑誌論文] 社会福祉協議会の合併とその影響(上)-社協合併前の組織・事業・経営2007

    • 著者名/発表者名
      奥田 憲昭
    • 雑誌名

      コミュニティ総合研究 第4号

      ページ: 39-77

  • [雑誌論文] 市町村合併と福祉行政サービス-大分県日田市の場合-(上)2006

    • 著者名/発表者名
      奥田 憲昭
    • 雑誌名

      紀要 大分大学大学院福祉社会科学研究科 第6号

      ページ: 1-26

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi