研究概要 |
愛知県西尾市における外国人住民集住団地に居住する日本人住民に対するアンケート調査を行い,外国人住民に対する意識・態度,また,外国人住民との関係について集計・分析を行った。推定配布数は300,回収は133票。住宅の自治会の全面協力のもとに行った。調査は,民族関係・人種関係にかんする仮説のなかで,「近隣・接触仮説」の適応が可能かどうかの検討を最大の課題としたが,結果は否となった。日常生活において,生活空間をともにしているにもかかわらず,住民たちは外国人住民に対して拒否的な態度を保持していることが明らかになった。それは,なぜかは,今後の分析課題であり,西尾市民全般に対する調査や,日本最大のブラジル人をかかえる浜松市の市民調査との結果との比較検討が必要となろう。 また,これまでの継続で,西尾市での外国人支援団体での参与観察,ブラジル人グループ主催の様々な行事への参与観察,ブラジル人住民へのインタビューなどをかさねてきた。さらに,他の地域との比較研究のために,愛知県知立市における集住地区小学校でのインタビュー,三重県の四日市や鈴鹿市の事例に関して予備調査を行った。東海地方における地域社会での「共生」の課題を来年度詳細に検討したい。また,外国人住民の構成が異なる大阪において,いくつかの学校や支援グループを訪問し,インタビューを行った。 これらの調査をふまえて,2005年10月に日本社会学会(一般報告)にて,口頭発表を行い,また,さらに,調査地域におけるセミナーでも研究からの知見を報告した。
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