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2005 年度 実績報告書

子ども虐待への臨床社会学的介入

研究課題

研究課題/領域番号 16530353
研究機関京都女子大学

研究代表者

井上 眞理子  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (50137171)

キーワード子ども虐待 / 臨床社会学 / ハイリスク家庭政策 / 子育て支援政策 / 市町村ネットワーク / 子ども虐待防止民間団体 / 児童虐待への政策的対応 / 都道府県虐待政策調査
研究概要

平成16年10月1日から施行された「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律(児童虐待防止法改正法)では、子ども虐待の防止、早期発見・早期対応、被虐待児の保護・支援についての、より積極的な取組みが謳われている。特に第4条では国および地方自治体の責務をいっそう拡大してとらえ、子ども虐待の予防から被虐待児の自立の支援まで各段階にわたるものとしている。本研究はその中でも特に、国および自治体による「関係省庁相互間その他関係機関および民間団体の連携の強化、民間団体への支援」に焦点を絞ることで、子ども虐待への対応・防止に関する社会学的研究からの貢献を追求するものである。
具体的には平成17年11月から12月にかけて、全国の都道府県に対して「児童虐待への政策的対応についてのアンケート調査」を行った。調査項目は大別すると1、虐待ハイリスク家庭の把握およびリスクの低減のためにどのような政策を実施しているか。また子育て家族を孤立させない一般子育て支援政策はどのようなものか。2、子ども虐待防止を目的とする市町村ネットワークについて、(1)ネットワークを設置している市町村の数、(2)ネットワークへの主要な参加機関、(3)主な活動、(4)課題、はどうであるか。3、当該自治体における子ども虐待への政策的対応の特徴、有効な点、問題点、はどのようなものであるか、の三つより構成されている。このアンケート調査に対して、26都道府県から回答を得た。現在詳細な分析を行っているが、特に注目される点として、現在各地で民間団体が有効な活動を行っているにも関わらず、多くのネットワークにおいては民間団体が参加機関の中に含まれておらずその力が虐待防止ネットワークに生かされていないことである。
全国の都道府県に対するアンケート調査以外に、子ども虐待防止活動を行っている民間団体に対してインタビュー調査を行った。対象となったのは香川県高松市で活動を行っているNPO法人「子どもの虐待防止ネットワーク・かがわ」である。当該団体は電話相談を中心として、講演会等による啓蒙活動、調査活動を行っている。インタビューによって明らかになった問題点として、市町村ネットワークの中に民間団体が正規のメンバーとして位置づけられず虐待防止活動に市民の視点が生かされない、ということがここでも指摘された。虐待への対応・防止における民間団体の力の正当な評価とネットワークへの位置づけは、今後の大きな課題と考えられる。またインタビューにおいては、民間活動団体におけるメンバーのリクルートの困難さや活動資金の不足等の問題も明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 子どもの虐待と人権2006

    • 著者名/発表者名
      井上眞理子
    • 雑誌名

      広報みき 第686号

      ページ: 17

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 愛と暴力の迷路としての家族-子ども虐待について考える-2006

    • 著者名/発表者名
      井上眞理子
    • 雑誌名

      芬陀利華 第280号

      ページ: 2

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] リスク・ファミリー(仮題)2006

    • 著者名/発表者名
      井上眞理子
    • 雑誌名

      (晃洋書房(京都))

  • [雑誌論文] 家族社会学を学ぶ人のために2006

    • 著者名/発表者名
      井上眞理子編
    • 雑誌名

      (世界思想社(京都))

  • [図書] ファミリー・バイオレンス-子ども虐待発生のメカニズム-2005

    • 著者名/発表者名
      井上眞理子
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      晃洋書房(京都)
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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