研究課題
基盤研究(C)
現在EUにおいて、労働者の職業生涯を考慮しながら仕事と生活のバランスを調整するという「ライフコース」概念を基軸とする新たな労働市場政策の展開がみられる。本研究は、このような欧州における現状を踏まえながら、日本とオランダの比較から、労働市場におけるライフコース政策について考察し、日本への適用可能性を探ることを目的としている。本研究は以下の三つの作業を中心に行った。1 シニアプラン研究開発機構によって実施された労働者の全国データ(16,700名のサンプル)を再集計し、出生コーホート別に、労働者のライフコースおよび生活意識を明らかにするとともに、それを調査年次別(平成3年、平成8年、平成13年)に比較検討することによって、1990年代以降の日本の労働者生活の変容を明らかにした。2 オランダのライフコース・パースペクティブと労働市場政策について資料収集し、とりまとめた。特に欧州における労働市場政策のライフコース・パースペクティブについてまとめられた基本文献の一つであるA new organization of time over working lifeを中心に欧州とオランダの積極的労働市場政策・ライフコース政策に関する最新の情報を入手し、その動向を把握した。その上でオランダにおいて2006年1月に施行された「ライフコース政策」の概要および詳細の規定(ライフコース貯蓄と休暇規定)をオランダ雇用省等の現地から直接入手し、最新の情報を報告書にとりまとめた。またオランダのみならず、ベルギーにおけるタイムクレジット制度等について、2003年9月に行った現地調査で得た資料等を再整理し、その詳細な動向をとりまとめた。3 以上の作業から、オランダおよび欧州レベルで展開されている労働市場モデルの日本的な適用の可能性について考察を行った。
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