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2007 年度 実績報告書

看取る文化とその社会的条件-在宅で迎える死はどのようにして可能か-

研究課題

研究課題/領域番号 16530364
研究機関大妻女子大学

研究代表者

大出 春江  大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (50194220)

研究分担者 中村 美優  神戸大学, 医学部, 准教授 (40189064)
キーワード看取り / 訪問看護 / 在宅医療 / エンゼルメイク / 湯灌 / 死後処置 / 在宅療養支援診療所 / 訪問看護ステーション
研究概要

平成19年度は過去3年間の研究成果をまとめる形で、定例研究会の実施、学会報告、報告書の作成を行った。また在宅医療をめぐる全国大会が開催され、このうち千葉、東京、岐阜、大阪の大会に参加し、在宅医療にかかわる専門職者らと交流を深めた。以下は、学会発表と報告書の骨子でもある研究成果を担当毎に要約したものである。
1)在宅の看取りと家庭看護の歴史(大出):明治期から現代までおよそ100年間の在宅の看取りの変遷について、家庭看護書の記述をもとに明らかにした。1960年代前後から、死にゆく身体への関わりは看護職にゆだねられる経過が示される。2)死後処置からみた看取りの歴史と担い手(古川):明治期の看護職による死後処置が伝染病対策からはじまり、そこに民俗慣習の儀礼が組み込まれていった経過が看護教科書等の文献研究から示される。さらに近年、急速な広がりをみせる〈エンゼルメイク〉のもつ効果と危うさについても触れ、死後処置の行方を論ずる。
3)看取りを実践した家族からみた在宅医療と訪問看護(中村):看取りを実践した兵庫県・家族7例に対し、主介護者を対象に実施した半構造化インタビュー調査(2004年12月〜2006年8月実施)結果の分析。看取る家族からみた病院、疾師、訪闇看講師、存宅疾療に必藝た俗源やネットワークの必要性が明らかにされる。
4)長野市訪問看護ステーションからみる在宅医療と訪問(松田):長野市内4カ所の訪問ステーションにおける調査をもとに、訪問看講STが病院併設型の場合、病院との円滑なコミュニケーションと情報の共有により、在宅療養の患者および患者家族の<ゆれ>を支える構造的な基磐を提供していることが示きれた。5)在宅医療という経験と運動(大出):長野県、兵庫県、大阪府にそれぞれ在宅医療を実践する無床診療所を開設する医師ヘのインタビュー調査から、2006年度在宅療養支援診療所という新たな制度の導入と受容を医師の視点から捉えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 性と出産の近代と社会統制-雑誌メディアからみた衛生観念・家族観念・国民意識の形成とその回路-2008

    • 著者名/発表者名
      大出 春江
    • 雑誌名

      『国立歴史民俗博物館研究報告 平成19年度特集号』 第141集

      ページ: 323-354

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 在宅医療という経験と運動2008

    • 著者名/発表者名
      大出 春江
    • 雑誌名

      大妻女子大学人間関係学部紀要『人間関係学研究』 第9号

      ページ: 73-98

  • [学会発表] 在宅で迎える死はどのようにして可能か-兵庫県と長野県の調査から-2007

    • 著者名/発表者名
      大出 春江、中村 美優、松田 弘美、古川 早苗
    • 学会等名
      第80回日本社会学会大会
    • 発表場所
      関東学院大学
    • 年月日
      2007-11-16
  • [学会発表] 高齢者の在宅での看取りの諸相と関連要因-看取りを終えた家族のケアストーリーの分析から-2007

    • 著者名/発表者名
      中村 美優、松田 弘美、大出 春江、古川 早苗
    • 学会等名
      日本老年看護学会 第12回学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2007-11-10
  • [学会発表] 老人医療費最低額の長野県の長野市における訪問看護ステーションの在宅での看取り2007

    • 著者名/発表者名
      松田 弘美、中村 美優、大出 春江、古川 早苗
    • 学会等名
      日本老年看護学会 第12回学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2007-11-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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