研究課題
平成16年度は研究計画に沿って、1 選挙のアクセシビリティの研究として、(1)電子投票選挙の実施自治体において、選挙実施担当者と視覚障害のある当該システム利用者への面接調査と、(2)現に投票所とされた施設のアクセシビリティ観察調査、2 総合支援システムの研究として、(1)電子投票実用機体験会における模擬投票操作時のビデオ撮影と投票後のアンケートの分析を通しての選挙に関する最先端支援技術のアクセシビリティ調査と、(2)バリアフリーの有識者等による討論会を通しての当該システムのアクセシビリティ調査、さらに、(3)上記1の選挙実施自治体に対する選挙時における障害のある有権者向けの配慮の実施状況調査、3 選挙とまちづくりの研究として、バリアフリーのまちづくりのための当事者参加型ワークショップによる実践研究と分析を通しての投票環境の研究、を実施した。その結果、1では、電子投票システムにアクセシビリティ配慮が必須の視覚障害のある利用者は当該システムの有用性に満足しているが、当該システムのアクセシビリティ配慮がより広範には活用できていないこと、などが明らかになった。2では、電子投票実用機の最低限のアクセシビリティの確認と、より多様な障害のある人向けのユーザビリティに残る課題、アクセシビリティ等の客観的評価手法やその配慮保障のための法と制度の整備の必要性、などが明らかになり、『第13回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集』と『ヒューマンインタフェースシンポジウム2004論文集』に発表した。3では、投票環境整備のためには、まちの日々のあり方が重要であることから、障害のある住民が直面するバリアを彼らを交えたワークショップを通して体験的に理解する必要性について「市民と進める福祉の交通まちづくり講習会」の場で検証したほか、分析成果を『日本福祉のまちづくり学会第7回全国大会概要集』などで発表した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
第13回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集
ページ: 102-105
ヒューマンインタフェースシンポジウム2004論文集
ページ: 745-750
日本福祉のまちづくり学会 第7回全国大会概要集
ページ: 285-288
ページ: 289-292