【目的】 特別養護老人ホームのケアスタッフの適応過程について、ユニット型と既存型の比較から検討した。既存型には見られないユニット型の特性として、新人と経験者の適応過程の違いが明らかになった。その結果をふまえて今回は、ユニット型特別養護老人ホーム2施設の新人の適応過程について分析し、ユニット型の新人ケアスタッフの特性を明らかにする。 【方法】 対象は、既存型とユニット型を持っそれぞれ同じ法人経営のA・B施設である。Aはユニット型7人、既存型6人の新人計13人、B施設はユニット型9人、既存型7人の新人16人であり、両施設ともに同じ質問紙にて調査を実施した。調査時期は、着任10日前(ユニット・既存同じ研修)とユニット開設後3カ月、9カ月に反復調査を実施した。質問項目は、(1)バーンアウト:MBI改訂田尾らの尺度17項目の推移で職場適応状況を(2)仕事魅力3項目で仕事の楽しさ等を(3)組織特性・仕事特性28項目は、上司のリーダーシップや職務上の歳領度(4)上司からのサポート(5)ストレッサー27項目である。 【結果】 ストレッサーは、A施設は利用者のコンフリクトが3カ月後、9カ月後ともにユニット型のほうが既存型よりも有意に高かった。B施設においても有意な差はなかったがユニット型のほうが既存型よりもたかかった。 ユニット型特別養護老人ホームの新人ケアスタッフの特性として、既存型よりも利用者との関わりにおけるストレッサーを多く感じており、ユニットリーダーや介護主任等上司のサポートの必要性が示唆された。また、個人的な達成感は、A・B施設ともにユニット型が高いという結果が示された。
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