平成18年度は、これまでの調査の継続として、8月に都内の婦人保護施設に通った。調査の内容は、参与観察の手法を用いて作業所内にて利用者の作業に参加、おしゃべりや作業の様子の中から、利用者の特性を観察したが、昨年度と比較すると利用者像に大きな変化がみられた。20歳前後の女性や障害を持たない利用者が増え、施設内の作業場の雰囲気も明らかにこれまでと異なるものであった。しかし、個人情報保護法などにより利用者の特性や生活歴について詳細を知ることができず、データとして残すことはできなかった。 それゆえ、「東京ウィメンズプラザフォーラム女性福祉ネット10周シンポジュウム」や「日本社会福祉学会政策・理論フォーラム、新たな社会福祉対象への視点」、日本社会福祉学会などに出かけ、実際の現場の話しや研究者の話を聞くことが本年度の主たる研究となった。 DVに関しては「『臨床に必要な家庭福祉』第9章ドメスティック・バイオレンスと家庭福祉」を担当し、DV被害者への対応などをまとめ、弘文堂から出版された。また婦人保護の歴史について日本大学社会学会「論叢」にて、「公娼制度の歴史と婦人保護施設」として発表した。 次年度が本研究の最終年となるため、次年度に向けての研究計画および研究準備を行った。具体的には各都道府県にある女性相談センターへ連絡し、事業概況を集める準備を行った。統計およびその変化の考察は、次年度に持ち越しとなった。
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