研究課題
基盤研究(C)
介護職における健康障害の特質と課題目的介護福祉士養成校卒業生の就業状態及び職業継続者の腰痛を主とした作業関連筋骨格障害の発生とその予防対策の実態を捉え、介護作業に伴う健康障害の発生の構造的特質を明らかにする。研究計画(対象と方法)本学の卒業生1342名の就労状況を調査し、職業継続者238名に作業関連筋骨格障害の現状の郵送調査を実施した。研究の成果腰痛調査の有効回答は115名であった。そのうち「今主観的腰痛のある」人は73名(63.5%)、「1ヶ月の間に主観的腰痛」あった人は84名(73%)、「仕事に就いてから腰痛のあった」人は104名(94%)であり、介護職の腰痛は全く軽減していないことが明らかになった。また、介護職は慢性的な疲労状態にあった。その理由として介護機器の使用割合が低く、安全管理における職場への取り組みが少ないことが明確になった。そのため、日本の介護現場にふさわしい機器の開発が必要となり、特許申請を行った。また、器機の普及と啓蒙を図るために生活技術習得ブックを作成した。今後は、安全な労働と介護者の健康管理のために、直接的要因となる身体的負荷を軽減する環境改善を制度的に強化する側面と介護者自身の提案による問題解決が必要とされる。
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人間福祉学会誌 7巻1号
ページ: 137-144
Journal of Human Well-being 1st. 7vol