研究課題
基盤研究(C)
ソーシャルワークにおけるコミュニティ実践モデルを活用し、貧困児童家庭支援システムの拠点として、2005年3月に児童福祉施設「東三洞地域児童センター」を韓国・釜山広域市影島区に設立した。平成16年度は設立に向けての調査とソーシャルワーク・アドボカシーを展開し、貧困問題に直面する子どもと家族に対する支援システム構築に取り組み、協働体を形成した。社会福祉法人、行政機関、議会、大学、保育院、学校、医療・保健・看護機関、児童虐待防止センター、警察の青少年健全育成委員、ボランティア連合会、キリスト教会、寺院、消防団、住民代表組織、企業家、新聞社などの公私関係機関の協働体による運営委員会を結成し、平成17年度にはセンターを研究者と運営委員がスーパーバイズするしくみを作った。このアクションリサーチにより、平成18年度には以下のような成果を得た。今後、本モデルの有効性を詳細分析し、地域福祉力形成の推進と応用が課題である。1.影島区庁ホールにて成果発表として、研究代表者・分担者の報告、前韓国赤十字総裁、釜山大学校総長ほか名門大学の研究者を含むシンポジウムを実施した。約350名の参加に加え、区長、区議会長をはじめ福祉・教育関係者も多く、マスコミに取り上げられた。日本の補助金研究を契機として設立されたセンターの意義と感謝の輪が広がり、地域児童センターのモデル事業であるとの評価を得た。2.児童のケース分析・聞き取り調査を実施した結果、栄養、体力、学習、生活態度・意欲、マナー、人間関係などがセンター利用前と比べてかなり改善されていることが明らかとなった。また、崩壊家族、離別母子家庭であった夫婦関係にもセンターが影響を与え、家族の再統合に結びついたケースもある。3.本研究モデルへの着目により、区長、行政の強力な支援を獲得し、センターや公務員のソーシャルワーカー、学校ソーシャルワーカー、教育委員会、総合地域福祉館などが連携し、地域の児童問題を共有、解決していくための新たな事業がはじまり、影島区の地域福祉力が高まったといえる。4.一時保護機能をもたせ、夜間保護を開始し、中学生へのケア・プログラムを開始した。5.全国の地域児童センターの中央情報機関が設立され、ソーシャルワーカー研修プログラム開発を共同で実施する予定である。IT技術を駆使した新たな教材づくりに本研究の成果が応用できよう。6.当事者参加の視点により、離別/死別/シングルマザーの母子家庭の自立支援を実施し、福祉関係資格取得を奨励し、有資格者を目標として母親をケアワーカーとして養成した。
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すべて 雑誌論文 (22件)
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